黒執事
□Good Morning-1日の始まり-
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「坊ちゃん、お目覚めの時間ですよ」
朝はいつも、セバスチャンのこの声と、開けられたカーテンの隙間から射し込む光で目が覚める。
でも、この日の僕はまだ眠っていたかった。
「ん…まだ……ねる」
「いけません。坊ちゃんはファントムハイヴ家の当主。時間通りに起きなければ…」
「……うるさい…ぼくは……」
寝不足で体が思うように動かない。
そんな僕の身を包んでいたシーツを、セバスチャンは無理矢理奪い取った。
「なっ!何を…!」
「まだまだ子供ですね。あなたは小さくて、とてもか弱い…」
「うるさい!そもそも、お前が昨夜あんなことをしなければ…」
「あんなこと、とはなんのことです?坊ちゃん」
「…っ」
僕の口からは言えないことがわかっていて、コイツはワザと訪ねてくる。
あんな…あんなこと、口が裂けても言えるものか!
「…し、知らん。自分で考えろ」
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