D R E A M

□ ストーリー
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「先生、授業のことで質問があるんですが」

そう声をかけられて、その主の顔を確認すると
一度まわりを見渡して、ああ、自分に話しかけてるんだ、と確かめる

「…………ん?」

あれ、これ、綾芽くんだよね。綾芽くんて、双子とかじゃないよね。うん、ともゑくんと菫くんじゃあるまいし。じゃあ、何?私、もしかして少し前にタイムスリップしてる?デジャヴ?あ、夢?いやいや、やっぱり時空旅行……

じっと綾芽くんの顔を見つめながら、ほんの3秒ほどの間にこんなことが頭の中をかけめぐった。

「先生?どうしたんですか?」

「えっ。あ、うん、えーと、なんだっけ」

「授業のことで」

じいっと綾芽くんの顔を凝視する。
眉間にシワでも寄ってると思う。

「あの、何か」

「…綾芽くん、ですよね」

「はぁ」

確かに綾芽くんだし
間違えるわけないし

「綾芽くん、今日は、何月何日でしょうか」

「…7月10日ですけど」

うん、タイムスリップでもないや。

「で、さっきの授業の」

「はっ!記憶喪失!?」

もしかしたら断片的な記憶喪失かもしれない!

「綾芽くん、大丈夫!?おとといの晩ご飯、言える!?」

「……何言ってるんですか?先生」

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