D R E A M

□ 愛を叫ぼう
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「私、綾芽くんが、好き」

「知ってるよ」

え?

無意識に口をついて出た言葉にも驚いたけど、迅速かつアッサリとした返答にも驚いた。

「知って、ましたか」

「ああ。何?今さら」

さも当然のように片付けられ、こっちに視線もくれない。まじまじと彼を眺めていると、やっとチラリと私を見た。

「何、かまってほしいの?」

「えっ」

なんだか気味の悪い笑みを浮かべるとその男は立ち上がって私に一歩近付いた。

「いや、あの、好きというのは、そういう意味じゃなくてですね、ただ」

「そういう意味って?」

「だだだから、こういうハレンチな意味じゃなくて」

「ハレンチ?」

綾芽くんは吹き出すと、人差し指で私の顎を軽くなでる。

「じゃあどういう意味?」

「……だから…、一人の、人間として」

「だからこういうことだろ?」

「違うってば。わかってないじゃん」

綾芽くんの手を掴んで元の位置に戻し、まっとうな距離感を確保した。

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