D R E A M
□ せなか
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「いったたた…」
3階から2階への階段を降りていたとき、つまづいて階段2段分ぐらい転落してしまった。
もっていた資料はばらまかれるわ、おしりは痛いわ、涙が出そう。
なんで私っていつもこうなんだろう…
「なんでお前はいつもそうなんだ」
ぶちまけられた資料の先に上履きが見えた。
見上げると、綾芽くん。
「大丈夫か?」
「あ、うん、大丈夫」
しゃがんで資料を渡しながら言ってくれた。
あれ、今日はなんだかやさしいなぁ。
「ありがとう」
「まぁ、毎度のことだからな」
「…そんなに、ドジばっかかましてるわけじゃ」
「今週3回目」
「…う」
なにさ、数えなくてもいいじゃないか。
だいたいドジって数えられないもん。そういやドジとかいう言葉久しぶりに使ったな。
「昨日は中庭の段差だろ。この前は教員室でお茶ひっくり返したんだったか?」
「うるさいなあ」
まいったな。
どうしてそんなに知ってるんだろう。
「だから隣にいろって言ってるんだ」
資料を全部拾い終わると、綾芽くんは座り込む私に手を差し伸べながら言った。
その手をとって立ち上がろうとすると、左の足首に痛みが走る。
「痛ッ…」
「どうした?」
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