図書館
□あなたの世界に私は一緒に居れますか?
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とある町の、とあるスーパーからコジロウの声が聞こえる。
「悪いけど、ここで荷物見ていてくれないか?
…………………えっ、嫌だ?
何で……………あっ、分かった。
俺が離れて寂しいんだろう♪
大丈夫だよ。すぐに戻ってくるから。
急いで買い物終わらせて早く家に帰ろうな♪」
優しくニコッと笑う。
その光景を周りは微笑ましく見つめる。
‘あそこ見て。凄く可愛いわ。’
‘ホノボノカップルね。’
そんな周囲の声を知ってか知らずかコジロウは手を伸ばす。
買い物カゴの中に居る彼女に。
「マネネ、すぐ戻ってくる。
隣の棚に行って戻ってくるだけだから。」
「マネネ〜。」
「そんな目をするなよ。
俺だって………………。」
「マネ……………マネネ。」
涙目のマネネ。
それに親馬鹿コジロウが勝てる訳が無い。
「行こう。一緒に。
マネネも買い物カゴも持って行くよ!」
「マネネ♪」
「俺達はいつも一緒だ♪」
「お馬鹿カップル!」
急にハリセンが飛び頭を叩かれる。
振り向くとムサシとニャースが呆れた顔で立っていた。
「遊んでる暇じゃないニャ。
ニャー達は早く帰って………。」
「ホットケーキを作るのよ!」
「わ、分かってる。」
全員………特にムサシはテンションが高い。
実は普段は食事に困ってるロケット団。
そんな彼らに朗報が。
バイト先で間違って発注されたホットケーキの粉が大量に余り、特別ボーナスとして貰えたのだ。
今は他の必要な材料を生活費から削り買い出しに来たのだ。
「マネネ〜。」
「ニャに。‘ホットケーキ、コジロウと一緒に食べるの始めてだからマネネ嬉しい♪’とニャ。」
「あっ、そうか。ロケット団に入ってからはそんなに食べる機会無いからね。」
「マネネ、またそんな可愛い事を。
もう大好きだ♪♪♪」
再びラブラブモードに突入。
気づくと周りもニコニコしていてこんな声が聞こえる。
‘まさにお似合いの二人ね。’
「……………………お似合い。
まあ、たしかに………。」
周りの声に反応してムサシの瞳が一瞬揺れる。
(私の方がコジロウより付き合いが長いし口上とか息ピッタリなんだから。)
ちょっと頬をふくらます。
「って!今、誰が言ったの?」
「ムサシ、何を独り言を言ってるのニャ?」
「独り言…………なら、今の私の声?」
「ムサシ?」
気づくとコジロウの顔が目の前にあった。
心配そうにムサシの顔を見ている。
今の心の葛藤のせいかドキッとなる。
顔に出さないように答える。
「な、何でも無い。」
「そっか。
なら、マネネと隣の棚に行ってくるから買い物カゴ見ていてくれないか?」
優しい笑みを浮かべて背中を向ける。
マネネを大事そうに抱いて。
「………………………………。」
すると突然ムサシがコジロウの服の裾を掴んだ。