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□遅れてきたハロウィン
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そしてイベントが開かれる。
そのイベントの名は。
‘本日は我が町のイベントのなりきり大会に参加頂きありがとうございます♪’
それはテレビでもよくあるイベント。
細目の少年がグレッグルをニョロトノに見立てて優勝したイベント。
そして結果はすぐに出た。
‘優勝はコジロウ選手とマネネちゃんで〜す♪’
「やった〜♪
やっぱりあのまま頑張れば優勝もいけたんだ♪
なあ、マネネ…………じゃなくてジュリエット♪」
「マ〜ネ♪」
「良いわね。楽しそうで。」
「ムサシ、嫉妬しないのニャ。」
「だって!
何で優勝が私じゃないのよ!」
「ニャーだってどっちかが準優勝してくれるのを希望だニャ。
ニャんで予選落ちだニャ。
ハブネークをミロカロスにして参加のセンスは何なのニャ。」
「何ですって!!!!!!」
「ニャ…………ニャ。ニャ〜!」
「あっ!逃げるな!
待ちなさい!」
そんな喧嘩をしている二人を無視してコジロウは優勝の表彰を受ける。
‘おめでとうございます。
これが優勝商品です♪’
「んっ?優勝商品は好きな仮装をさせて貰えるんじゃ。
これは……………指輪?」
‘はい♪
我が町には不思議な力を持った宝があります。
それがこれです♪
願えばあなたの好きな仮装になります。’
「へえ〜♪何か分からないけど凄い気が♪」
ワクワクさせて指に嵌める。
「何にしようかな?」
「コジロウ、助けてくれニャ!」
「えっ!!!!!」
「ニャース、待て!」
気づけば仲間が図々しくもステージにあがる。
「コジロウ、ムサシが!」
「何よ!あんたが!」
「ムサシ…………ニャース。
はあ〜、あのな…………。」
とりあえず落ち着いて貰おうと仲間二人の名前を呼び止めようとする。
二人に向かって手を伸ばす。
‘ピカー。’
「えっ。」
その時だった。
指輪が光る。
「キャッ!」
「ムサシ!!!!」
同時にムサシが煙に包まれた。
「な、何が起きたニャ。」
「ムサシ、大丈夫………。」
「ゲホッ。ゲホッ。
な、何なのよ。」
声の感じで無事なのには分かる。
だが、安心するのは早かった。
煙の向こうにはムサシのシルエットが見えた。
そのムサシのシルエットには耳と尻尾がついていた。