図書館

□彼女の笑顔が見たいから。
3ページ/14ページ

ムサシとヤマトの喧嘩は続いてる。


仕方が無いのでその場は、コサンジに押し付けコジロウ達だけでバイパー教官の所に向かう。


「失礼します。コジロウ、ニャース。
お誘いを受けてイベントに参りました」

「あ、ああ。お前らか………」


そこには変わらないバイパー教官の姿があった。

しかし返ってきたのは歯切れの悪い返事。

見るとバイパー教官は数人の訓練生と話している。




様子がおかしい。




バイパー教官は気まずい顔をしている。
更に訓練生達は冷たい目でこっちを見ていた。


「バイパー教官、どうされましたかニャ?」

「いや、その………」

「あ!ムサシですか?
それならすぐに来ると思います。
ちょっと彼女はやぼ用で………」

「…………………ムサシ
と言う事はあなた達が死神ムサシの仲間ですね?」


訓練生の中のリーダー格っぽい男の子が話しかけてくる。
きつい目付きで未来のロケット団としては有望な感じだ。


そいつの偉そうな態度に一瞬ムカついたが首を縦に振る。


「まあ、そうだけど………」

「そうですか。
………………なら、お帰り下さい」

「えっ…………」


あまりの唐突な言い方に二人は固まってしまう。




そこにバイパー教官が間に入る。


「待て。彼らを招待したのは私だ。
そんな言い方ではわざわざ遠くから来た先輩方に悪いではないか」

「バイパー教官、どういう事ですか?」


困っている教官の代わりに答えたのは先程の訓練生。


「たしかにあなた方は歴代のトップワンテストで優秀な成績を残しておられます。
しかしそれ以外の事実がそれを否定しています。
訓練生時代、彼らの一人はたくさんの仲間を潰し死神と恐れられていた」

「……………………………」


コジロウは黙って話を聞く。


「そして卒業後。あなた方は何の成果も残していない。
調べた所、お荷物になってるそうじゃないですか。
こんな噂を流れているの知ってますか?
‘死神ムサシは卒業後仲間を道連れに運気を下げその力はまだ発揮し続けてる’って」

「!!!!!!!!!!」


それを聞きコジロウの体がビクッとなるのにニャースは気づく。


「…………………コジロウ」

「ともかくあなた方の実力を認める訳にはいきません。そんな方の指導を誰も受けたくありません。
お引き取り下さい」

「………………………」


ニャースはあまりの訓練生の高圧的な態度に何も言えない。




すると隣で彼の仲間が怒りを隠せない様子で立ち向かう。


「断る!」

「コジロウ………………」

「そんなの噂が勝手に一人歩きしてるだけだ。酷過ぎる!」


そこにはいつものヘタレな彼は見れなかった。




コジロウは真っ直ぐ彼らを見てこう言った。


「帰るか決めるのはこっちの実力を知ってからでも良いんじゃないか?」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ