図書館

□海にある宝
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ムサシを連れてアクア海賊団の船は海を航海していた。

「ただ寄り道した島で素晴らしい金のなる木を手に入れたな」

ムサシの方を見た。
ムサシは柱に縛りつけられたままファントムの方をにらんでいる。

「そんなに怖い顔で見るなよ。
代わりに島のやつらの命は全員助けてやっただろう」

「私をどうするつもりよ?」

「色々と考えているんだけど…
その前に真の姿を見せな」

「無理よ!
私はまだ力を出せない内にあんたに両親を殺されたんだから」

「なるほど。
親が手伝い始めて一人前になれるという訳か」

「あんたの望むようにはならないわ。
さあ、用済みならあの時、両親にやったように私を殺しなさいよ!」

「船長どうします?」

「まあ、慌てる事は無い。明日にでもサメのいる海にでも放りこめば嫌でも力を発揮できるだろう」

さすがのムサシもその言葉には顔を青ざめ逃げようと体を動かし始めた。

ファントムはムサシの顔の近くの柱を力強く叩いた。

驚きムサシは抵抗を止める。

「おとなしくしていて欲しいな。
乱暴な事はしたくないんでね」

するとムサシのネックレスに気づいた

「これは珍しい」

ムサシの首から外そうとした。

ムサシは慌てて抵抗した
「止めて!これはお母さんの…ウッ」

ファントムがムサシの頬を殴った。
「抵抗するなって言っただろう」

ムサシは頭がジーンと痺れた感覚に襲われ動かなくなる。

その隙にネックレスを首から外す。
「これは一応貰っておく。いくらか金にはなるだろう。
さあ、お前ら。今日は宴会だ」


その後見張りを二人残しファントム達は宴会をしに部屋から出ていった。

舌を噛んで自殺をされないように布を噛まされる。

(もう、何もかも信じられない。海賊なんて…)

しかしそれとは別に子供達と遊んでいるコジロウの優しい顔が浮かぶ。

(コジロウ…)

すると小さなうめき声が聞こえた。

顔を上げると見張りの二人が倒れている。
そして二人の近くにはコジロウが立っていた。

「ンー!(コジロウ!)」

「ムサシ、今助けるからな」

コジロウがムサシに駆け寄り拘束を解く。

「怪我は無いか!
って、その頬!」

「大丈夫よ。これくらい。
それより何であんたがここに?」

「助けに来たんだ。
さあ、行こう」

すると交代の見張りが帰ってきた

「お前誰だ?」

「ムサシ、逃げるぞ」
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