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□海にある宝
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その後、ピナさんが村の人に紹介してくれコジロウは受け入れて貰えた

「本当に海賊の俺が受け入れて貰っていいんですか?」

「いいのよ。来た所で盗む物なんて何も無い島なんだから」

コジロウは恩返しの気持を込めて島の人達の為に色々な手伝いをした。

それと同時に島から出るためのイカダ作りも始めた。

コジロウがイカダを作っていると島の子供達が近づいて来た。

「コジロウ、遊ぼうぜ」

「駄目だ!今はこれを完成させなきゃいけないんだから」

「コジロウは海賊なのに仲間がいないのか?
仲間に迎えに来て貰えばいいのに」

「一応連絡は取ったけど。
でもなるべく早くこの島から出ないと…」

「何でだ?」

「それは…」

(ムサシが俺を見ると辛そうな顔をするから)

「ひ・み・つ!」

「コジロウのくせに!
みんな、くすぐっちゃおうぜ」

「やめ……ワハハハハ!」

そんなコジロウの様子をムサシは木の陰からこっそりと見ていた。

コジロウは子供達を帰すとイカダづくりを再開させた。
しかし時間はお昼を過ぎており
「はあー!お腹空いたな」

「コジロウ」
再び子供達が近づいて来る。手にはオニギリが盛られた皿があった。

「おっ、旨そう。
お前達が作ってくれたのか?」

「違うぜ。ムサシ姉ちゃんが持って行けって」

「ムサシが…」

「ムサシ姉ちゃんの料理を食べれるなんて幸せだぜ」

「じゃー、いただきます。
本当だ、美味しい」

(海賊が嫌いなだけで根は悪いやつじゃないんだな)

そして夜になりピナの所に戻る。

するとムサシがいた。ムサシはコジロウには気づいていなくネックレスを夜空にかざして見ていた。

「綺麗なネックレスだな」

ムサシは驚き急いでその場から離れようとした。

「あっ、待って!」

ムサシが止まる。

「オニギリ、ありがとう。美味しかったよ。
イカダの方、完成したから明日の朝には出て行くから。
両親の事は本当に気の毒だと思っている。
同じ海賊として言わせてくれ。ゴメン!」

言い終わると同時にムサシはその場から走り去っていった。

コジロウは左腕にあるブレスレッドを見つめ
「まだまだ海賊に対する誤解はとけないようだよ、
ジャッキー」
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