図書館

□大切な物
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約束の時間になり社に向かう事にした

そこにはフルーラのお姉さんのヨーデルさんと船長さんが待っていた

「ケンジ君、こっち!」

「久しぶりね」

挨拶も終わってすぐに社の照明が落ちた。
そして照明がフルーラを照らす

フルーラが光の中、笛を吹き踊り始めた

「あの娘、ルギアの件から巫女としての役目を自覚するようになったわ」

「フルーラちゃんも一人前ね」

確かにフルーラはあの時よりもしっかりと自分を見つめている

中身もしっかりしてたが見た目も大人っぽく、女らしくなっている

さっき大人の雰囲気を持った人がいいって言ったけど彼女はどんな男と付き合うんだろう?

僕も年上だから可能性があるのかな?

………な、何考えてるんだ!僕は?

顔が赤くなるのが自分でも分かった

慌てて周りを見るが誰みんなフルーラの踊りを見ていて気付いていない

演奏が終わりフルーラが今度は一人の男の子の近くに歩いて行った

「天地怒り海が…」

どうやら彼が今年の操り人みたいだ

「リュウ様、お願いします」

そう言うとフルーラはリュウの頬にキスをした

……チクッ……

ケンジは無言で立ち上がる
「どうしたの?ケンジ君?」

ケンジは笑顔で
「いえ、ちょっと夜風にあたって来ます」

そう言うと早足で出ていってしまった

その姿をフルーラは心配そうに見ていた
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