図書館
□変化する気持ち
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「びしょぬれじゃないですか。
気づかなくてすみません。
どうぞ、奥に」
勘違いを訂正する前にキミヨおばさんはムサシを部屋に連れて行ってしまった。
「さあさあ、ぼっちゃまもこちらへ」
俺が入った部屋は小さい頃使っていた部屋だった。
「ぼっちゃま、着替えはここに置いて置きますから。
私は先に食堂に行きポケモン達の世話をしています」
「ありがとう」
俺は用意してもらった服を着た。
それはスーツだった。
「小さい頃よく着たな」
俺は着替え鏡の前で少し身だしなみを整える。
「本当にこんな格好するの久しぶりだな。全てが懐かしい」
小さい頃はこの生活が嫌いだった。では今は?
何故か状況が似ているのに嫌な気がしない。
俺はそんな疑問を抱えながら食堂に向かった。
食堂ではワタルおじさんがニャース達にポケモンフーズを食べさせていた。
みんな久しぶりの食事で嬉しそうに食べている。
「ぼっちゃま、お似合いで」
「コジロウが金持ちに見えるニャ」
「見たいって…」
「もうすぐキミヨと婚約者の方も来ますよ」
「だからムサシは…」
「お待たせしました」
キミヨおばさんがタイミングよく来てしまい、またも否定しそびれてしまった。