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□愛と青春の距離感
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コジロウはその場に居れなくなりまだ泣いてるニャースを抱えそこから離れる。
ようやく人の居ない場所を見つけそこにニャースを下ろす。


「いい加減に泣き止んでくれよ」

「ニャ……ニャ…」

「う〜、どうすれば?」


その時の彼はまだクールなキャラでありポケモンの扱いに慣れていない。
その結果…………。


「分かった!話すから!」

「本当ニャ!」


さっきまで泣いていたニャースがもう笑っていた。
コジロウはため息をつく。
そして視線をニャースにあわせる為にしゃがむ。


「お前……ムサシの事どう思う?」

「えっ、ムサシかニャ?」

「そう!ム・サ・シ!」

「どうって?
…………死神ムサシって噂のわりには仲間想いだと思うニャ。
最近はニャー達が遅れをとっても待ってくれるし……」

「そう!そこ!」


コジロウが大きな声を出す。
その目は凄く真剣だった。
突然立ち演説をし始める。


「そう!俺達はトップワンテストに合格して良いチームとして評価された。
任務も忠実にこなしている。
でも………ムサシとの距離が縮まってない気がする。
いや、ムサシが俺達に心を完全に開いて無い!」


徐々に演説に熱が入る。
もはやクールキャラの欠片は無い。
ニャースが驚きただ見ている。


「そりゃー、あの夜はムサシの本音が少しだけ聞けたよ。そして俺もムサシに遅れをとりたく無くて頑張った結果テストに合格したし訳だし。
でもその後の進展が無さ過ぎる。
今日もそうだ。任務を終えたら別行動って。
仲間としての絆を深める為にも…………(中略)………とかするんじゃないのか?」

「まあ、みんなやっているニャ」


始めて見る仲間の暴走にニャースはただ頷くしか出来なかった。


(コジロウってこんな奴だったのニャ……)
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