図書館
□‘裏’ポケモンサマースクール
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そして俺達のアルバイトは上手くいっている。
作ったカレーを美味しそうに食べてもらい正直嬉しい。
しかしムサシとは一言も会話出来ない。
当のムサシは借りたムチュールと仲良く過ごしたりクラスメイトにチヤホヤされていたりする。
いや、それ以上に無視されてる気が。
だって………廊下ですれ違っても目も合わせてくれない。
そりゃー、こっちも事務の仕事で忙しいけど。
ちょっと………悲しくなってしまう。
夜中にニャースが寝ている内に部屋からこっそり抜け出し外に出る。
初日は労働の楽しさで寝ていたけど……………ムサシが近くにいないなんて。
「はーあ、ポケモンサマースクール………早く終わらないかな」
「何が終わるって?」
「えっ」
振り向くとムサシが立っていた。
「ムサシ………ムグッ」
「シッ………こっちは門限があるの抜け出してきたんだから」
そう言い隣に座る。
俺は正直状況が理解出来ない。
「それでどうなの?」
「えっ………何が」
「何って!ボールを奪う作戦よ」
「あ……………」
「まさか忘れていたの!信じられない。
バイトに精を出しすぎたんじゃないの!」
正直今の言い方はカチンときた。
つい言い返してしまう。
「だってムサシがクラスメイトと仲良くやっていて俺と目も合わせてくれないからじゃないか!
いいよな!楽しそうで!ムサシこそ忘れていたんじゃないのか!」
完璧に本音を話す。