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□春夏秋冬
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管理人初の拍手小説




コジロウが買い物から戻ってくるとムサシやニャース達が木に寄りかかって寝ていた。

「まあ、暖かいからしょうがないか。
ふあ〜!なんか俺まで眠くなってきた」


コジロウはムサシの隣に座り寝ようとした時だった。


「ムニャ、ムニャ……」

「えっ?わ…わっ!」


ムサシが何か寝言を言ったと思ったらコジロウの方に倒れてきた。

コジロウは慌てて受け止め支える。

「セ、セーフ!ったく寝相悪いんだから」


しかしムサシの顔がいつもより近
くにある事に気づき顔が赤くなる。


「でも…寝顔も可愛いな…」


周りを見てニャース達が寝ているのを確認すると起こさない程度にムサシを抱きしめる。


「たまには…いいよな…」


小さな幸せを噛み締めた穏やかな春の話。




「今日は祭りだニャ♪」

「美味しい物一杯食べれるわね♪」

「ハハハ…二人ともハイテンションだな」


ムサシ達の手には大量の食べ物があった。


「コジロウのテンションがおかしいニャ」

「そうよ。祭なんだから盛り上がらなくちゃ。
もしかしてまだチリーンの事引きずってるんじゃ…」

「それもあるけど……俺祭りとか小さい頃行った経験が無いから楽しみにくいっていうか…」

「しょうがないわね。
はい、アーン」


ムサシは手に持っているたこ焼きを一個コジロウの前に差し出した。


「ムサシ、これって…」

「何よ!いらないなら食べちゃうわよ」

「た、食べます」


コジロウは顔を赤くして一口食べる。


「美味しい…」

「でしょう。昔の事はよく分からないけど今は祭を楽しみましょう」

「ああ…そうだな」


大切な人と祭を楽しめる幸せを感じた夏の話。



「今は木の実が沢山取れる季節。私達の食糧&ポフィンをたくさん集めるのよ」

『了解(ニャ)!』

三人はバラバラに行動して木の実を集める事にした。

コジロウは地面に落ちている木の実を集め続けた。

すると頭に何か落ちてきた。


「んっ………木の実?」


顔をあげるとムサシが木に登り木の実を取っていた。


「ム、ムサシ〜!危ないぞ」

「だって木の実が一杯あるんだもん。
大丈夫よ。木登りはとく…」


喋っている最中で足を滑らす。


「えっ!キャー」

「ムサシ!」


コジロウが駆け寄る。
そしてムサシを受け止める。


ムサシは目をつぶっていたけど地面に落ちた感触が無いのに気づきそーっと目を開ける。

「コジロウ!」

「間に合ってよかった!
……無茶するなよ」

「………ありがとう」


ムサシは素直にお礼を言う。


(助ける為とはいえムサシを抱きかかえてしまった。
近い…凄くいい匂いがする。
もう少しこのままでいたい
……って何考えてるんだ、俺!)


必死に理性を保つ。


「お、下ろすぞ」

「駄目!下ろさないで!」


ムサシが慌ててコジロウの服の袖を掴む。


(駄目って…それってこのままでいたいって事か?)

「今動いたら二人とも危ないわ」

「えっ?」


下を見ると二人の周りにはイガグリが沢山散らばっていた。
さっきムサシが落ちた時に一緒に落ちたようだ。


『ニャース、早く助けに来て!』

(でもちょっとラッキー)


優しい風が二人を優しく包んだ秋の話。




ロケット団は今落ち葉を集めに精を出している。
その理由は…。


「これ集めたら焼き芋食べましょうね」

「ああ。(盗んできた)芋はたくさんあるしな」

「楽しみだニャ」


しばらくして落ち葉がたくさん集まる。


「ニャーは火をつける物持ってくるニャ」

「頼むわね」

「しかし集まったな」

「こういうの見ると飛び込みたくならない?」

「えっ!別に…」


すると突然ムサシがコジロウの腕を掴み引っ張る。


「うわー!!!」


二人は一緒に落ち葉に倒れこむ。


「やっぱりフカフカだわ。
落ち葉ってとっても暖かいのよね」

ムサシは隣で寝転がりながら笑顔でそう話す。


(この状況もう少し男として意識して欲しい気も。
でも今が幸せだからいいか)


コジロウも力を抜き落ち葉に身を預け隣にいるムサシに笑いかける。


寝ながら見た冬の空の雲は緩やかに流れていた。
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