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□無意識な日々
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「ムサシ、もしかしてみんなを心配して追い出したのか?」
「え、いや、それは………」
そこで首を縦に振らないのがムサシだ。
しかしコジロウはそれが肯定と言うのを理解していた。
「クスッ……」
「な、何よ?」
「風邪引いて良かったかも。滅多に無いムサシの優しさに触れられるんだから」
「馬鹿な事言って………」
怒鳴ろうと思ったがコジロウが咳き込み始め止めてしまう。
「…………調子狂うわね。
起きれる?」
「あ、ああ………」
しかし辛そうでムサシが手伝い起こしてあげる。
それからテキパキと薬や食べ物を与える。ここは看護学校時代の経験が活きているのだろう。
「薬を飲んだから少ししたら落ち着くでしょう」
「ありがとう」
「後は寝てれば治るわよ」
ムサシはそう言い立ち上がる。
しかしすぐにコジロウが腕を掴んできた。
「どうしたの?」
「…………側にいてもう少し話たいな。
せっかく二人きりなんだから」
「は〜あ。風邪で自分が何言ってるか分かってるの?」
「だって………駄目か?」
「……………………」
いつもより弱々しい為ムサシも嫌と言えず黙って座りなおす。