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□無意識な日々
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数日前コジロウは風邪を引いた。
しかもかなり重症だ。


「ゲホッ!ゲホッ!」

「コジロウ、大丈夫ニャか?」

「マネネ〜」


ニャースとマネネが心配そうに見ていた。
コジロウは心配かけないように微笑みながら言う。


「だ、大丈夫だよ……すぐに元気に………ゲホッ……ゲホッ……」


しかし熱もあり苦しそうだ。
するとドアが開きムサシが中に入ってきた。


「ほら、出ていきなさい」

「マネ〜」

「‘心配だから側にいる’って言ってるニャ」

「まったく!こんな風邪でどうにかなる訳無いでしょう。
移って病人が増えたら面倒だから出ていきなさい」


ムサシに言われ渋々二匹は出ていく。
それを見るとため息をつきコジロウの近くに座る。


「しっかりしなさい!ピカチュウゲットする為に倒れてる暇無いんだから」

「わ、分かってるよ」


病気で弱ってるせいだろう。いつもより落ち込みが酷くシュンとなってしまう。
そんな彼を見ながらムサシはコジロウの前にある物を出す。


「んっ!何だ、これ?」

「見て分からないの?風邪薬に食べ物よ」

「………………ムサシが買ってきてくれたのか?」

「当たり前でしょう。ポケモン達はあんたの側で交代で看病してたんだから。
まったく全員知識の無いのに居て移ったら大変じゃない」


ムサシは怒り口調だったがその中に優しさが含まれていた。
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