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□Love or Friend
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その後ヒカリを中心に質問攻めにあう。
「どれくらいの付き合いなんですか?」
「そうね♪長い付き合いよ」
こっちもムサシが笑顔でそれらしく見えるように適当に答える。事実コジロウが身に覚えの無い出来事もあった。
コジロウは反論するだけでもなくただほほ笑み適度に相槌を打つ。。
それでとりあえずカップルのように見えたようだ。
コジロウは時々ムサシの方に視線をやる。ムサシは彼女になりきっている。
(これは意識していいのか?
…………それとも意識しない方が?)
たしかに仲間としてしか見ていなかった。それどころか女性として見る機会が少なかった。
でもこうして恋人のふりを平気な顔でされると…………。
「………………複雑な気分だよな」
「どうしましたか、コジ之介さん?」
偽名のせいで一瞬呼ばれた事に気づかなかった。
慌てて呼ばれた方を向くとサトシが心配そうに見ていた。
「なんか少し怒ってる気が?」
「き、気のせいだよ」
コジロウが笑いごまかす。
(やばい。やばい。ここでばれたら…………。ムサシに怒られる。
勝手に恋人気分になって何やっているんだろう?
これはふりだ。俺とムサシはただの仲間……)
そう暗示をかける。
しかしコジロウはもう一人の存在を忘れていた。