図書館
□小さくて幸せな贈り物
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事の始まりはわずか一時間前。
『寒い〜!!!』
この時はまだいつものメンバーでいた。
寒い空の下全員体を震わせている。
「公園で寝泊まりしていたら死んでしまうニャ!」
「でも住み込みのバイトなんて残ってないぜ」
「寒い〜!こうなったら……」
突然ムサシがニャースを強く抱き締める。
「何するのニャ!」
「いいじゃない!あんた毛だらけで暖かいんだから!」
目の前で騒ぐ二人をコジロウは黙ったまま見る。
そして聞こえないように小さな声で呟く。
「いいな……ニャース…」
彼も一緒になってワイワイやりたかった。
しかし意識している女性に抱きつくのは躊躇ってしまう。
(いや、仲間として……暖まる為には……)
そう考えムサシに近づき飛び付く。