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□時と心の繋がり
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ここは中世のヨーロッパ。


今お城ではパーティが開かれる。


そしてそこの近くの木の上に二人の男が話していた。


「コジロウさん、本当にパーティに忍び込むんですか?」

「当たり前だろ、モンド!
どんだけ凄いご馳走があると思ってるんだ」

「でもここの当主、ハーリーさんを怒らせたら生きてかえった者はいないって噂ですよ」

「ウッ……生きる為にはしょうがないだろう。
第一お前‘悪魔’なんだから普通の人間を怖がってどうするんだ?」

「僕は‘見習い’です。
だから今こうして人間界で修行してるんです」

「はあー、何で俺はこいつの事が見えて話しかけちゃったんだろう?
ともかく忍び込むぞ」

「やっぱり駄目です!
今なら引き返せます!
呪われずにすみます!」

「呪いなんて‘悪魔’が言うんじゃない!
服引っ張るな!バランスが…」


その時足元の枝が折れる音がした。


『ワアーーー』


コジロウ‘のみ’が激しく地面にぶつかる。


「痛っつー!」

「だ、大丈夫ですか?」

「大丈夫の訳無いだろう。
こっちは生身の人間なんだから……」


モンドに向かって怒鳴っていると目の前に女性が立っている事に気づく。


「………………」

「あっ、嫌!俺はその…怪しいものじゃ…
ただ腹が減って…」


それと同時に腹の虫が鳴る。


「こ、この通り何も食ってなくて…
君この屋敷の人?余り物でいいから分けてもらうと嬉しいんだけど…」

「………………」


女は無言で立ち去ってしまった。


「やっぱり怪しく見えたか。
屋敷の人間が他に来ないうちに逃げるぞ、モンド」


しかし振り向くとモンドの顔は青ざめていた。
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