図書館

□すべての人に捧げる愛〜アベ・マリア〜
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12月某日。
ロケット団は暗い道を歩く。


「もう夜よ。周りは真っ暗」

「さすがにこの暗さで野宿はきついよな」

「我慢ニャ。もうすぐ町に着くから公園で野宿でも…………」


その時だった。光が射し目が眩む。


「何だ?この眩しさは?」


徐々に目が慣れてくる。
その正体は…………。


『わ〜〜〜〜〜!』


町はイルミネーションの飾りで豪華な光に溢れていた。
しかもただのイルミネーションでは無い。


「そうか。もうすぐクリスマスだニャ」

「町中、クリスマスイルミネーションに溢れているな」

「クリスマス当日はノンビリしたいニャ」

「そうだな。たまには贅沢をして…………」

「馬っ鹿みたい!!!」


夢みがちにうっとりしていたコジロウとニャースはあっという間に現実に戻される。
恐る恐る振り向くと機嫌が悪そうな顔でムサシは立っていた。


(しまった。ムサシはクリスマスが嫌いだったんだっけ)

「みんな、イベント事に流されて情けないわね!
クリスマスの何が楽しいのかしら!」

(イベント関係は縁が無いようだからな。
たしかクリスマスの思い出がサンタのルージュラに大切な人形を取られたんだっけ?まあ、修理の為だから誤解は解けたんだけど。
それにしても、プレゼントを貰えるサンタから逆に奪われたんじゃムサシで無くても嫌にもなるのは分かる気も。
………………もしかしてそれさえ無ければムサシはもっと…………)


そこでコジロウは何か思い付いた顔をする。


「大体贅沢って………そんな余裕………」

「ムサシ♪」


突然コジロウが手を握ってきた。
その目はキラキラしていて長年の付き合いでムサシは嫌な予感が胸をよぎる。


「な、何よ?」

「クリスマスイブにみんなでプレゼント交換会やろう♪」
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