novel
□芽衣夜の希望
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芽衣夜という14歳の少年がいた。
彼はマスコミは社会の迷惑と思っていた。
受験を控えていた。
第一志望が普通科クラスであった。
彼は入学試験を受けて第一志望の高校に合格した。
高校の3年間を自由に送った。
マンガに関心を持ちマンガを描いた。
雑誌の新人賞に応募することなくマンガは1年ほどでやめた。
高校を卒業してから普通の社会人として送った。
長い創作のスランプの末、詩と小説を書き始めた。
彼は水を得た魚のように詩と小説を次々に書いた。
それでも彼はプロになるつもりがない。
カネの醜さは知っていたから。
60歳の定年を迎えて退職後、彼は警備員のアルバイトを始めた。
今、芽衣は思う。
私的に詩と小説を発表する日々である。
病気をしないで暮らせたのは幸せだと。
世界情勢は変わった。
車を運転しながら幼少期の思い出が脳裏をかすめた。
すいた道路を彼の車が走り去って行った。
(終)