dull detectives

□第1話 〜全ての始まり
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(早く帰ろう)

少女は更に歩みを速める。


が。


(…!?)

何かを感じて、少女は振り返った。

しかしそこには薄暗い闇があるだけ。何もいない。

(…気のせい、か)

少女は微笑んで、再び歩き出す。


コツン、コツン、コツン、コツン。


歩きながら、少女は「あれ?」と首を傾げた。

自分とは違う足音が聞こえた、気がしたのだ。

少女はもう一度立ち止まり、振り返る――やはり、誰もいない。

しかし。


少女はそこに"何か"の存在を感じた。


(怖い)

少女は呟くと走り出した。


コツ、コツ、コツ、コツ、コツ、コツ。


(誰かいる!)

少女は確信した。


コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ


足音が余分に聞こえる。

(逃げなきゃ)

少女は走る。

(逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ)


コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコ、


ふいに、明日が止まった。

思わず、立ち止まる。

少女は、ゆっくりと、振り返る。

そこに。


―――いた。
   ・・


立ち竦む少女に、それは棒を振りかざし。


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


闇夜の学校に、少女の悲鳴が響き渡った。



―――end
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