dull detectives
□第1話 〜全ての始まり
1ページ/2ページ
放課後の廊下を、少女は歩いていた。
どこの教室も電気がついていないため、薄暗い。…かなり不気味だ。
少女の足は自然と速くなっていた。
(忘れ物なんて取りに来るんじゃなかった)
心の中、少女は深く後悔する。
授業で出た課題のプリントを、教室に忘れてしまったのだ。
それに気が付いたのは部活が終わって帰宅する少し前――午後6時過ぎだった。
普通の課題なら、明日登校してから済まそうと考えただろうが、今回の課題は怖いことで有名な先生から出されたもの。
しかも、明日の1時間目の授業が期限だ。
つまり、時間がない。
これが少女を、暗闇の校舎へと駆り立てた。
勇気を振り絞り、誰もいないであろう廊下を歩く少女。
少女の頭の中には、先日友人から聞いた怪談話が浮かんでいた。
―――「この学校にはね、殴り殺そうとする幽霊が出るらしいよ」
ぶるり、と震える。
幽霊なんているハズがない、そう呟いても不安は拭い切れなかった。