企画用
□届け、届けと
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甘い香りが鼻先をくすぐった。つられてキッチンに行くと、美味しそうなデザートが並んでいる。サンジくんに一声かけると、もうすぐ皆が帰ってくるからって、優しく応えてくれた。
「私、みんな呼んで来るね」
数時間前に着いた島は数時間でログが取れるから、その内にそれぞれ欲しいものを買おうって、島に降りた。私とサンジくんが船の見張りで残ってて、もうすぐ皆が帰ってくる時間。甲板から覗くとルフィとウソップとチョッパーが立っていて、ルフィの姿を見るとなんだか嬉しくて名前を呼んだ。
「サンジくんが、おやつできたって」
「そうか、わかった!」
ルフィが笑う、私も笑う。それだけで嬉しくて、みんなの声なんて耳に入らなくて。おみやげだと投げられて私の手にすっぽりと入ったそれは、赤い水玉のハートのピンだった。ルフィが好きなようなかっこいいのじゃなくて、私が大好きな可愛いやつ。すごく悩んだんだろうな、ルフィの選ぶ姿が目に見えて。
「今度から島回るときはそれ付けて一緒に回るぞ」
今度は2人で一緒に島を回ろうねっていう約束。その時はルフィから貰ったこのピンも付けて、一緒に。
もうウソップもチョッパーも先に船に乗ってて、ナミ達も私たちを見て笑ってた。早く帰っておいで、ルフィに伝えると、ぐんと手を伸ばして船に手をかける。今にも飛び出しそうなルフィ、ちょうどキッチンから出てきたサンジくんは嫌な予感がしたのか、ルフィの名前を呼んだ。本人は聞いちゃいないみたい。
はやく来て。離れていたのはたったの数時間なのに、もう、早く傍にいたいくらい寂しくて。いつでもルフィが戻ってこれるように、ルフィが私のところに、私のそばに来れるように、大きな空に向かって両手を広げた。
届け、届けと
この気持ち、大好きって、
(ぎゅっと抱きしめ合って)
私のところに戻ってきたルフィを見て、チョッパーはこっちにやってきたり、サンジくんの怒り狂った声とかナミやロビンの笑い声とか、全部が幸せすぎて仕方ないの(あなたといるから、)
lovely baby様に提出
素敵な企画ありがとうございました