短編

□ルルルEメール
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うん、そっか。がんばれ




ようやく言うことを決心して、本人にメールを送った今。
返事が来るまで随分時間がかかったもんだ。まさか自分のことだって本当に気が付いてねェのか?普通あそこまで言ったら気付くだろ…呆れた。

毎回、わざわざ休み時間のたびにあいつのとこに行って(、近づきたくて)、想ってる事全部言って(、気付いてほしくて)、宿題が全然終わって無いあいつは相槌だけで済ませやがって(それでも、好きだ)。


鈍感だし頭悪いし、本当馬鹿だけど、だけど何故かそんなこいつのことが好きなんだ。



返信ボタンを押して、得意な早打ちで携帯のボタンを押す。土方さんの携帯のメールで、すっかり打ち慣れた言葉が自分の携帯じゃ思うように打てない。たった3文字にこんな時間がかかったのは初めてだ。きっとあいつだから、この言葉を伝えるのがあいつだから、こんなに緊張してるんだ。

打ち終わったメールの内容をなんだか見たくなくて、すぐに送信ボタンを押した。



好きだ、ばーか



この文を見たあいつは今頃どんな顔をしてるんだろうか、あいつのことだから顔が浮かんでくらァ。まぁ、これを見て幸せと、嬉しく思ってくれれば幸いだ。


アドレス帳を開いてすぐに電話をかける。携帯の向こうから聞こえてきたメロディを1フレーズ聞くこともなく、あいつの声が響いた。一声目が「ばかって何よ!」だもんな、なんで俺こんな女好きなんだろうか。だけど、どこか幸せそうに聞こえてきたあいつの声を聞くと、こっちまで嬉しくなってきた。

とりあえず最終勝負だ、この想いが、この気持ちが届けばいいと思う。





ラブメール送信完了




(…私も好き、です。ばーか)
(…知ってらァ)




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