短編

□DEADorALIVE
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ゲームしようか。


へ?有り得ない言葉が私の頭の中を通過している。目の前にいる人の言い放つ言葉は頭に残るわけもなく、右耳から左耳へ通過している状態だ。何を言っているのこの人は。


「僕が寝てる間に物音たてたら噛み殺す。簡単なゲームだよ」


え、本当になんなのこの人。数分前に移動された病室に移り同室になった彼。いきなり話しかけられたと思ったらこのゲームについてだった。物音たてたら私の命はない、そんなの病室だから大丈夫と笑えるほど悠長ではない。初対面なのにこうする事に何の意味があるのだろう。状態混じり気のない目に身震いがする。



「じゃあおやすみ」


どうやら私に拒否権はないよう。

すぐに眠りについた彼の顔をよくよく見る。さっきは頭が真っ白で見れなかったけれど綺麗な顔立ちをしていた。普段は知らないけどさっきの態度からして怖い人かもしれない。だけどこの寝顔に見とれてしまう。どこの人だろう、私と歳はあまり変わらないのかな。はじめまして、よろしくねなんて自己紹介もないままこのゲームに入った。名前を知らないまま一緒の病室なんて不便だ。廊下に書いてる筈だ、見に行こうとしたけれど、物音をたてれば私の負けと共に命もかかっいる。

あとで見ればいいか。この人は私の名前なんか興味なくて聞いたり見てくれることなんかないと思う。名前は私だけが知ってればなんとかなる。
だんだん重たくなる瞼を閉じた。





「あれ、すごいなあ」


目が覚めたのは1時間後だった。隣は変わらずの彼で、不思議そうに笑いながら私を見ている。知らず知らずのうちに物音をたててしまったか、不安げに一歩身を引いた私に待っていたのは予想外の言葉だった。


「僕のゲームに勝った人初めてだよ」


へ、と顔を見上げれば嬉しそうな彼の顔。今の私の顔は絶対まぬけだった気がする。


「名前はなんていうんだい?」


まさか、まさかの。
絶対聞かれないと思っていた質問が私に問いかけられる。私に少しでも興味を沸いてくれたととっていいのだろうか、そんな事思うせいか黙る私に彼は名前はと再び問う。口ごもりながら答えた私に彼はもう一度最初のような顔をして、



「これからもよろしく頼むよ」



想像したのと違った、私の名前を知る彼と、彼の名前を知らない私。これからどんな毎日が待っているんだろう、まだまだ続くこの命がけのゲームに恐怖を感じなかったのは、彼の寝顔見たさと仲良くなりたいと思ったということは言うまでもない。








スリリングな毎日

何故にREがくる、というのは
とっさに書きたくなったからです←
好きなのはG氏だけど夢ならヒバリさん!


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