なんでもや
□File.4【始動!真田マイ(?)】
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「では、ここにお名前をご記入下さい。
もうしばらくしたら担当の者が来ますので、今しばらくお待ち下さい」
エディと樹利亜は痛い程の視線から逃れ、月女校内の事務室前で待機していた。
校門前よりは良いが、相変わらず女学生の視線の的にはなっていた。
「あの人達、西月の人よね?」
「うん、中等部の子と高等部の生徒みたい」
「何の用なんだろ?」
「あの人外人かな?
カッコイイかも…」
「樹利亜、普通はこの状況に喜ぶべきか?」
「質問の意味がわからない」
「じゃあいい」
校舎の中なのでヒソヒソ声も外より良く聞こえてくる。
「私はあの小さい子の方がいいな。カワイイし」
「あ、確かに」
「…………」
「どうした樹利亜?何赤くなってんだ?」
「黙れ外人」
「ひでえな」
樹利亜が赤くなっていると、男性教諭が歩いて来た。
「遅くなって悪いね。
クラマーくんと宮前くんで良かったね?
話しは聞いているよ。校内での盗撮を調べてくれるんだってね?」
「まあ、はい」
「いやあ、真田くんには二年前にも盗難事件を解決してもらってね、なんでもやさんのおかげで助かったよ」
「あなたはなんでもやを知っているんですね?」
「ああ、知っているのは私と校長、当時の生徒会長、あと理事長ぐらいだがね。多分生徒の中にも知っている者はいるだろう。
申し遅れた、私は教頭の松崎だ。今回も頼むよ」
「任せてください、二週間もかかりませんよ」
適当にカッコつけるエディであった。
「どうだか…」
エディには樹利亜のぼやきは聞こえなかった。
「さ、まずは生徒会室へ行こう。校長と理事長が待っている」
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