Ring-現代-
□Ring-序章-
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微かな呻きを上げるも、目の前の人物が目を覚ます様子はなく
そこで私の恐怖心はだいぶ削がれたけれど、不信感はやや募った。
ようやく震えの治まった両足でゆっくりと立ち上がり、なるべく音を立てないよう慎重に数歩進んで倒れている相手に近づく。
様子を伺うように相手をしばし見つめる。が、俯せの状態で倒れているので男なのか女なのかもわからなかった。
流れるような長めの髪
暗やみでよくは見えないけれど、何だか変わった格好をしている気がする。
二の腕の方まである長い手袋に燕尾のような背中を覆う服、ほとんどズボン代わりのような長いブーツ……
しげしげとそこまで観察して、私ははっとした。
見覚えがある、この風貌…
「……!」
膝をついて恐る恐る地面に流れる髪に手を掛ける。
顔に掛かっていた髪の毛をそっと避けさせ、現われたのは
私がずっと、求めて止まなかったヒトの見慣れた顔
「…っ、ウソ……」
目の前でいきなり繰り広げられている事実に再び腰が抜けてしまって、へたりとその場に再び座り込む。
現状把握しようと思考を巡らせることに必死で、倒れている彼の眼がいつのまにか開かれたことに私は気づかなかった。
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