募り、崩れ、また募る

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遥と並んで歩く。

季節は冬。今年は珍しく雪が少し積もった。


「なんだかんだで、初めてだね。

遥と仕事帰りを歩くなんてさ。」


「本当だよ。今日は嬉しいことばっか。」

「え?」

「だって、なにしろ今日はJUMPの皆に会えたし。」

「そう。」


僕の口が勝手に動いただけだけど、

遥が喜んでくれたならいいか。


「それに、侑李の仕事してる姿見れたし。」

「そう。ま、僕も遥の仕事モード見れたし。」

「そっか。」


時間も時間で、もう暗いからなのか

冬の寒さからなのか、

いつもより、話が進まない。


きっと、もうこんな機会ないだろうから、


僕は、遥を見てそう思った。


今なら誰にも邪魔されない。

今なら十分に想いを伝えられる。

それに、今日改めて遥を好きだと感じた。



僕は、白い息を深く吐いて

冬特有の澄んだ空気を吸い込んだ。
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