novel

□『Dear.Lacus』
2ページ/5ページ

Dear.Lacus


久しぶりだな!ラクス。元気そうで何よりだ。
この前は手紙、ありがとな。
最近は通信でのやりとりが多いから、ああして『手紙』ていう形で送られてくると…なんだかドキドキしたぞ。
…でも…すごく『温かい』な…

そうそう、地球でもラクスの力はもの凄い評価を得ているぞ。
『プラントの歌姫』として人の心を癒して…
プラントをまとめ上げるその手腕の凄さに『宇宙(そら)の女神』なんて呼ばれたりもしてるんだぞ。
そんな凄い人と朋友だなんて…ちょっと恥かしくもあるけど、私も鼻が高いんだ!
私も凄く勇気が出るし、ラクスを見習わなきゃいけないな、と思って勉強もしてるんだぞ。

でも…最近の活躍を聞きながら、ちょっと思ったんだ。
…本当はラクスは静かに…穏やかに過ごしたかったんじゃないか?…って…。
マルキオ導師の家でキラと子供達と穏やかに過ごしていた時のラクスが凄く幸せそうだったから。

ずっと…ずっと…そういう世界に居させてあげたかったのに…
私の力が足りなかったばかりに、また戦火に巻き込んじゃって…あの時は…ごめん…な?

でも、ラクスとキラが私を目覚めさせてくれなかったら、きっと今頃私は『オーブの意思』を継ぐ『カガリ・ユラ・アスハ』は死んでいたんじゃないかと思う。
だから、ラクスには感謝する事ばっかりなんだ!

政局もまだまだ不安定な状況だ。
プラントでもあれだけ支持を集めていた、デュランダル議長が亡くなったことで、大変だったんじゃないかと思う。
でも、それを見事にまとめ上げるんだから…やっぱりラクスは凄いや!うん!
やっぱり『宇宙の女神』で正解だ。

そちらも忙しいだろうが…その…キラとは…上手くやってるか?
アイツ泣き虫だし、ヘコムし…最初会ったときは、なんだか「コイツがあの『ストライク』動かしてる」何て思いも寄らなかったぐらいだったんだ。

でも…アイツ…少しずつ強くなってきて…
私が間違った道に進みそうになったとき、偉そうに説教までしてくれたもんな!
「選ぶ道を間違えたら、行きたいところへは行けないよ。」―――なんてな。
何時から私に説教するくらい強くなったんだ!?って思ったけど…
気が付いたんだ。
アイツが強くなったのは、ラクスのおかげなんじゃないか…って。
ラクスがキラの心を支えてくれるから、キラも安心して思いを抱え込まずに相手にぶつける事が出来るんじゃないかな…って。
だから…一応『姉』として…お願いしたいんだ
「これからも『キラ』を支えてやってください。よろしく頼む。」


そ…それと…だな…。『もう一人』の方の話なんだけど…
アイツは確かに頭良いし、運動能力とかもずば抜けてるし、敵うとこないのはわかっているんだけど、何か私がやる事なすこと、直ぐに心配してオロオロしたり叱りつけたり、何だか最近私に向う態度が偉そうなんで困ってるんだ!
何か私がしでかすと,直ぐに「ほら、お前は直ぐ慌てるから。」とか「もう少しおしとやかに出来ないのか?」とか、なんだか私のお兄さんかお父さん気取りなんだ。

だからラクスにお願いがあるんだ。
『アイツの弱点』、教えてくれ!!
今度こそ私の方が、一泡吹かせてやりたいんだ!
よろしくな!!

じゃぁ、また手紙出すからな! ラクスも無理するなよ!!



From.『カガリ・ユラ・アスハ』


PS:それともう一つお願いが…。アイツの好きなものって何かな?
  ラクスなら小さい頃から付き合ってたから知っているかと思うんだけど…
  今度コッソリ教えてくれ。頼むな?
 (あ、キラにはナイショだぞ!!)


…Fin.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ