螺旋の書
□絆伝説
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必死にもがくがいつの間にか手足を縛られてしまっているため無駄に終わる。
「馬鹿言うな。離したら逃げるだろ?」
「くそっ…!!」
悔しそうに顔を歪め賢者を睨みつけた。
「あんたが悪いんだろ?」
溜め息混じりに言えば香介から離れ、外に仲間が居ないかテントから顔を出す。
「仲間なんていやしねーよ」
「みたいだな」
確認をし終えると中に戻り香介の正面に腰を下ろした。
「一人にしては身軽な格好だな…」
「仲間とはぐれたんだよ」
「マヌケ」
「ほっとけっ!!」
ぐるるる〜
「うっ…」
大声を出したせいか香介の腹がなる。
「で、腹が減って忍び込んだわけかっ…」
「あぁっそうだよっ!!」
「なるほどな」
一人納得したかと思えば鞄の中から水筒を取り出し、器に水筒の中身を注ぐ。
「飲め」
「ん゛?」
器の中をのぞき込んで見ればスープがなみなみと入っている。
「と言っても縛ったままじゃ飲めないよな…」
徐に立ち上がり香介の横に来て膝をつくと先程のスープを自分の口へと流し込んだ。
「あっ!おまっ、何でのっ……!?」