螺旋裏の書
□近親相姦
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「どうなってるんだ?」
朝、起きて鏡を見たら…
視界いっぱいに兄貴の顔が広がる――
■■■近親相姦■■■
「兄貴っ!」
鏡にうつったのが兄貴ではなく…成長した自分だという事に多少時間がかかったが、俺がこうなった主犯であろう人物を呼ぶ。
「どうかしたか?弟よ」
元気よく洗面所に現れやがった相手に状況説明。
「なる程!!どうやら薬が効いたようだなっ!!」
「薬!?」
この馬鹿兄貴っ…俺に何しやがった…
「あぁ薬だ!だが、少し効き過ぎたようだな…私より背が高い…」
「……」
何、悔しそうに言いやがってんだ…
「俺は、何で薬を使ったのかを聞いてるんだ…」
「決まっているだろ?コンテストに出るためだっ!!」
「コンテスト?」
訊いた瞬間にげんなり…また、ろくでもない事を言い出すに違いない…
「明日『美男子双子にドッキ☆ドキ?乙女のハートを射抜いちゃえっ!!』と言う美男子な双子のコンテストが開かれる訳だ!!」
「………」
何てダサい&胡散臭いタイトルだ…
いや…タイトルはこのさい、どうでも良い…
「もしかして…そのアホくさいコンテストに出場するために…俺はこうなったのか?」
「そのとおりだっ!」