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□五年生と遊ぼうその三!
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「わあ、きり丸器用だね」
「そっか?」
今日は図書委員会の在庫点検の日なのだが、
計画していた時間よりも速く終わりそうなので、思い思いに休憩していた。
中在家先輩は休憩中も静かに読書、
二年の能勢久作はおそらく宿題をしている。
そんななか、先程の声が聞こえた。
見ると、一年のきり丸と怪士丸が小さな背中を寄せて何かを見つめていた。
「何してるんだい、きり丸怪士丸」
気になったので、驚かさないように声をかけ近づいた
「あ、雷蔵先輩」
「きり丸のあやとりを見てたんです。すごく上手いんですよ」
怪士丸が感心した顔でみつめる先を追うと、
きり丸の両手に行き着いた
その小さな手には太めの赤い糸が行き来し、
少し指を糸から離したり、摘んだりするだけで、
様々な形を作り出していた
「二人でもそんなのできないよ。やっぱり器用だ」
どうなってるの?と、
怪士丸は頭を下げ下から見上げたり、きり丸の手元を瞬きしないよう見つめたりしているが、
きり丸はにししっと笑いながら更に手を素早く動かして、相手を困らせていた
確かに目を奪われる腕前だでも…
「それって女の子遊びだよね?どこで覚えたの?」
少し気になったことを尋ねた。
確かに小さい子供だったら皆少しはやるかもしれないが、大体あやとりをするのは女の子だ。