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□四年生の純愛、その一
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「やぁやぁやぁ、一年生諸君元気かね?」


「げっ滝夜叉丸先輩だ」

「みな目を合わせるなよ」

「目が合ったらまた自慢話を延々とされるぞ」


一年は組の良い子達が、
今日も今日とて実技の補習授業をやっとこさ終わらせて、くたくたになっているところに、その上級生はやってきた。

ちなみに上の台詞は、
乱太郎、庄左エ門、三治郎の順である。
口は悪いが、一応滝夜叉丸に聞こえないように言っている。


「ん、聞こえなかったのかね?一年生諸君」

それでも空気を読めない滝夜叉丸は、さらに近づき、声をかける。

一年は組は全員あさっての方向を向いて、使った道具を片付けはじめていた

……そう、全員と思っていたのだが


「聞く耳なんて持ち合わせておりません」

「ここにいる皆、実技の補習でくたくたなんです。
ただでさえ聞くに値しない貴方の話、今の皆にとっては傷口に塩をすりこまれるようなもんです」


もっと空気を読めない、
いや、読まないきり丸と
兵太夫がきっぱりと言った


『きり丸ーー!?兵太夫ーーーっ!?』

皆の心はほぼ一つになった


「えっ、タダ?!」
「あはは、きり丸。そのタダじゃあないって」

兵太夫の言った「ただ」という言葉に反応し、きり丸は隣の兵太夫に抱き着いた

それを嫌がる様子もまったくなく、嬉しそうにきり丸の体に手を回して、抱き寄せる兵太夫。


『兵太夫ーーーっ!!!』
皆の心は怒りで一つになった。

それは二人の目の前にいる上級生にも例外ではなかったらしい
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