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□Crimson Lake
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教えてもらったレイファの部屋は城の奥の角部屋だった。

紙には隣にハウミカという女性とはまた別のマーランというシスターがいるらしいが。

音どころか、気配もしない。


6人は走り、探し回ったせいできれた息をレイファの部屋の前で整える。

木彫の細かく彫刻がされた扉だ。


「よし」

開けようと、ネフィルが扉のドアノブに手をかけると息を整えていた数名のゴクリという音が聞こえた。

ドアノブを握った手が、微かに汗ばんだ。



「……シスター…」

キィ…と木と木が擦れる音が部屋の中に響いた。

部屋の中は灯りの1つも付いていなかった。

その割に部屋は明るく、変な窮屈感はない。

窓辺のカーテンが、風に靡いた。

腰の高さから3メートルほどの天井まで伸びる大きな窓が開いていた。

窓の縁にレイファが座っている。

ネグリジェの上にカーディガンを羽織り月を見上げていた。


「…シスター」

再度、ネフィルがレイファを呼ぶ。

しかし、反応は返ってこない。

位置と角度から顔は見えないが、寝ているわけではないだろう。

背中が窓の縁に触れていないし、瞬きで睫毛が動いているのも見て取れた。


「シスター、聞いてくれ」

次はフィオラが言う。

微かに、こちらに気が向いた気がした。

「今回、俺らのダメな部分を見せてシスターを失望させたことはメチャメチャ悪いなって思ってる!」

「ボクたち、考えてみれば自分たちのことばっかり…」

「…直す…そして、精進する…」

「約束します!」

「お願いします、シスター」

「……」

6人が一斉に頭を下げた。

アールドまでも深々と頭をさげ、レイファの行動を固唾をのみ待つ。
 
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