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□Crimson Lake
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「くっそ〜…逃げられた!!」
ギリギリと歯を鳴らす。
みんな、顔が暗い。
ラウルは蹴られた腹をさすりながら可愛らしい小さなポーチを差し出した。
「私の荷物!」
「…これしか、取り戻せ…なかった」
「ありがとうございます!」
ダースは頭を下げるとその荷物を受け取り、駆け去って行った。
最後にレイファに対しウィンクを残して。
で、とレイファが話を切り出す。
6人はバツが悪そうに俯いた。
「瞬足だったようだけれど…どこまで近づけたのかしら?」
瞬足なのは当然、荷物を持って行った男の子。
23組で一番瞬足なレインが目視で10メートルと答えた。
随分と引き離されたものである。
ハァとあからさまな溜息をひとつ。
やれやれと首を横に振った。
まったく、情けないものである。
「とりあえず、女性の荷物を取り返せただけでもいいでしょう。でも、食料がなくなったのよ。モタモタしてられないわ」
寝ずに進むしかないわねと呟くと明らかに嫌そうな空気が流れた。
しかし、それをあえて無視する。
なるべく早く城に戻らなければと。
軽くなった足取り。
だけれども、気分を重くした6人をつれレイファは足を進めた。