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□Crimson Lake
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「みんな、座りなさい。これからのことや余談を話すわ」
レイファの言葉に従い丸太に腰かけた6人。
それを見て、レイファが燃える火に触れていない丈夫そうな枝を手に持ち地面に絵を描き始める。
見ていると、教団のあるウンダ地区とこれから行くインディナ地区が描かれた。
ウンダ地区とインディナ地区の間にはハーべル地区とミタ地区がある。
「今いるのはウンダ地区とハーべル地区のちょうど境ね。北上してミタに入るわけだけど…」
言葉を区切り、6人をグルリと見回した。
只ならぬレイファの沈黙に6人の沈黙が伝わってきた。
「ミタは民族が多く暮らしている土地で魔獣の発見も多く報告されてる土地だから…戦闘になる」
“戦闘”
と聞いて何人かのテンションが上がるのを感じた。
任務に出て敵と戦い、任務達成するのが快感なのだろう。
そう甘く行くはずもない。
レイファの唇の端が6人に気づかれない程度に上がった。
「“勇”の者は敵の出鼻を挫く
“智”の者は蓄えてきた知識で敵の弱点を突く
“鉄”の者は敵の攻撃を引き受け、反撃の時を待つ
“騙”の者は敵を錯乱させることを主とす
“記”の者はこれまでの軌跡を全てを覚える
“魔”の者は敵の足止めをし、戦闘を有利にさせる」
レイファの口から出てきた言葉に首を傾げる。
一息ついたレイファは焼かれていた魚を手に取った。
「これが、北の教団のボス、ウィルが考えるそれぞれの役目よ」
焼き魚を齧り、モグモグと口を動かした。