RENORＮ!＊短編
□お生憎様
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「フランの馬鹿ー!!」
リビングに広がる私の声にボス、王子、お姉さん、レヴィさん、スクアーロさんがこちらを向く。
…ただ…
「うるさいですー。ミーが何をしたというんですかー、不細工」
このカエルだけは平然とした顔をしてる!!
「何かしたって…今の言葉!! 今の言葉が私を傷つけたのっ!! それと…」
カエルの被りものを被り直すフランを見て更にイラッ。
ぎゅっと手を握ってからフランを指差すとフランは何か言いたそうに(文句を)私を見た。
「私の楽しみにしてたお姉さんの特製巨大プリンアラモード!! 食べたでしょ!!」
半泣きの私にやっぱりフラン以外の人はぽかん。
あ、ボスは興味なさそうだけど。
「……ああ。あのプリンですかー」
「プリンじゃないの!! プリンアラモード!!」
どっちでもいいじゃないですかー、なんて気だるそうに言って…!!
私が…私がどれだけプリンアラモードが好きなことかっ!!
お姉さんが私の為にいつも作ってくれる巨大プリンアラモードがどれだけ好きなことかっ…!!
このカエルは知ってるはずなのにっ!!
「あらまぁ、そんなことだったの？ 美弥ちゃん」
私の頭を優しくなでてくれるお姉さんに抱きつくとお姉さんは更に優しくなでてくれた。
ぎゅぅっとお姉さん愛用のエプロンを握る。
さっきまでご飯作ってたんだもんね…。
それなのに私のためだけに来てくれるなんて…。
カエルなんかと大違い!!
「ほらほら、泣かないで？ 美弥ちゃん。また作ってあげるから」
「嫌なんですぅ…!! お姉さんが作ってくれたプリンアラモードは私がっ、全部食べたいんですからぁ…」
本格的に泣き出した私。
…はい。
たかがプリンアラモード食べられた位で…
とか思った人っ
私にとっては重要なんです。
カエルに食べられたことが一番気に入らないんです。
なぜか？
…そんなの決まってる。
食べたのがカエルだから。
え？ よくわからない？
では説明しましょう。