RENORN!*短編
□結婚指輪
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仕事をしている「キャバッローネファミリー」のボス…ディーノさん。
私もキャバッローネの一員で、ディーノさんには色々と教えてもらった。
普段でも整っている顔立ち。
その顔が、笑顔になるととても優しそうな笑みで。
私はそんなディーノさんにいつしか恋心を抱く様になった。
でも…ある日…
コンコン…
静かな廊下に、ドアをノックする音が響く。
その静けさは、最初はかなりビックリした。
こんなに大きなお屋敷だからしょうがないのかもしれないけれど、あんなに人がいてもあまり人が通らない。
「誰だ?」
ドアの向こうから聞こえる声。
低いけれどどこか優しい声だ。
私の大好きな声…
「あ…美弥です…」
その声に答えると、今度はドアの向こうからカツカツという足音。
少し首をかしげていると、ドアがカチャリ、と静かに開いた。
「美弥? どうしたんだ?」
「その…お忙しい中すみません…この書類を…」
両手に持っている、いつもよりは少なめの書類をディーノさんに見せると、ディーノさんは急いで私の腕から取ろうとする…
―しかし
「うぉ?!」
丁度、書類を受け取ったディーノさんはなぜだかわからないけれど…書類を手にしたままこけた…
*