†短編小説集†
□未来からの案内人
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大学に入ってから初めてできた彼女が蘭だった。
今まで付き合った中ではなかなかの美人で、デートするたびにときめいてしまうほど彼女は輝いていた。
「ごめ〜ん、雅也。待たせちゃったかな」
「そうでもないよ! 蘭なら何時間待っても大丈夫だよ!」
「また、キザなこと言っちゃって! あ〜、お腹すいた。どこか食べにいこうよ」
「なら、蘭の好きなパスタの店にしようよ」
「やった〜! サラダは大盛でね!」
「はいはい、お嬢様」
無邪気な微笑みに心が和む。
俺達は食事した後、ウィンドウショッピングを楽しんでいた。
「あ〜! 雅也、私この映画見たかったの。美香も面白いって言ってたし、一緒に見ようよ! 」
それはSF映画で話題作の物語だった。
「うん、面白そうだなぁ。見ようか!」
「嬉しい〜! あぁ、時間ないよ。始まったちゃうよ!」
「俺、チケット買ってくるよ」
何とか間に合った俺達は慌てて席に座った。