ブリスグランマ

無題
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むかしそうだったように、おまえがいきていたときのように、


「兵助、」


あたたかいいぶきとちのながれにからだをゆだねてふかくふかくねむりたい。


「今日のお昼は残念だけど豆腐じゃないよ」


かんがえるのはおまえのこころとからだばかりで、かぜにふかれたおまえのあのやわらかいかみがまたわたしをつつんでくれそうな気がして。


「兵助、」


てをのばしておまえをよんでもしもまたここにあらわれてくれるのなら、わたしはこのばでくびをさいてもしたをかみちぎってもあしくびをとばしてもかまわない。


「三郎がまたいないよ、参ったな」


ただあいたい。


「兵助、」


そんなぬるいするどいねがいがかれたときに、わたしは、おまえとわたしのせかいのはんぶんをうしなった。


「あした」


らいぞう。


「とうとう卒業式だね」


おまえをなくしたのは、わたしをなくしたのとおなじことなのか。


「兵助、」


こんなにゆっくりとしたしこうのなかでも、おまえのかおがおまえのこえがおまえのすべてがらいぞうが、まぶしいせんこうのようにぬけてゆく。


「僕、」


ああ、これはきっとうわさにきいたそうまとうだ。いとおしいいろをしている。まだきえないで。おわらないで。いとおしい。あたたかい。おわらないで。とおい。あいたい。おわらないで。あいたい。あいたい。あいたい。あいたい。あいたい。




「兵助を愛せてたかな」












プロ捏造↓

雷蔵はプロ忍になってすぐに死にます
この話は、それから二年後くらいのものにしています
兵助はそれを忘れられなくて、それでも多くの戦に出ます
そして疲れ果て負けてしまい殺される直前の脳内には学園にいたころの雷蔵が浮かび上がってきて、兵助は死ぬことを恐れなくて逝けたんです

中二病を堪能していただけたら嬉しいです(笑)







しぬときって、じかんがとてもゆっくりすぎるんだな



090806



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