ブリスグランマ

悪用禁止
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「これはな、とーっても危ない薬でな、絶っっっ対人に飲ませちゃだめなんだぞ!!」


胡散臭い。俺を覗き込む三郎の楽しそうな顔を見ながら、まず第一にそう思った。


「…あ、そう」
「私はこれを特別に手に入れたんだが、そうだなぁ、八にならやってもいいかなぁ」


しっかりと詮をした茶の小瓶を俺の目の前でふらふらと振ってみせた。中身は液体なのだろうか、ちゃぷちゃぷと軽い水音がした。


「い、いらないけど…」
「いらないだって?!勿体ないなぁ〜私はコレです〜っごくいいことできたのにぃ〜」


鬱陶しい。第二に思ったのはこうだ。しかし先ほどより興味が湧いた。


「…自分で飲んだのか?」
「あら?興味津々?」
「なんだよ」
「いやぁ?まあ、飲んだのは私じゃないよ」


三郎は俺に小瓶を差し出した。俺がそれを受け取ると、三郎はにんまりと笑ってこっそりと耳打ちした。


「雷蔵、かぁわいかったよ」


俺の頬になぜか熱が集まった。三郎はそんな俺を見下ろしながら立ち上がると、またニヤリと笑って部屋を出て行った。残された俺は受け取った小瓶を見つめながら、兵助を頭に浮かべた。




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