ブリスグランマ

あやまち
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 びっくりするくらいの大雨で、道なんて見えなくなってしまった。おつかいに来ていた僕と食満先輩は、山奥に運良く空き家をみつけて咄嗟に逃げこんだ。
 悪かったのはきっと、蒸すような暑さとこの大雨と二人きりという密封空間だった。
 それが僕の、先輩の頭をおかしくした。

「やぁあっ!ッ!っだ、めぇっ、ああっ!」

 先輩は何かに弾かれたように僕を襲った。
 恥ずかしい格好。立ったまま変に足を開いてるせいで背中が痛かったが、それよりも食満先輩のむちゃくちゃなピストンのほうがもっと腰にきた。気持ちよすぎて声が詰まる。恐ろしいほどの快感の波に呑みこまれてしまいそうだ。立っているのも辛くて、必死に壁に手をついていた。

「喜三太…」
「あっ…せん、ぱいっ…っや!」

 僕は挿入されたまま床に寝ころばされ、また容赦なくがつがつと腰をぶつけられた。
 先輩は僕が達してもピストンを止めなかった。もう声も出なくて、出てくる精液も三度目を迎えた時には薄く半透明だった。先輩は何度も僕のおなかに出した。



 そんな事はそれきりで、僕と食満先輩がそれ以上の関係になる事はなく、むしろ以前よりも関わりを避けられてる。でも委員会の時なんかは、何事もなかったように振る舞っている。意識しているのは僕だけなのかと思うと馬鹿みたいに恥ずかしくて辛かった。



「じゃあ、行ってきます」
「うん、気をつけてね」

 金吾が戸部先生と一緒に出かけた。お休みになったから、みんなもどこかに遊びにいったり、家に帰ったりしている。僕も風魔に帰ろうかな、と思ったけど、リリーばあちゃんも面倒だし、第一に気分が重すぎて足が動かなかった。

「はー…」

 部屋に戻って、何をしようか考えた。一人ぼっちなんておもしろくない。気分は最悪に落ちていた。とりあえず寝ようかな、なんて思ったその時。

「きさんた」

 襖に人影が映り僕を呼んだ。食満先輩だった。痛いくらいに心臓が跳ね、全身が冷たくなった。

「開けるぞ」

 だめ。いやだ。先輩の手が障子の枠にかかり、ゆっくりと襖が開いた。座りこんだままの僕はなんと呆けた顔をしていただろうか。顔を覗かせた先輩もあまり元気のありそうな表情ではなかった。

「入るぞ」

 部屋に入ると静かに襖を閉め、先輩は僕の前に座った。顔をうつむけた。目なんか合わせられなかった。




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