ストーリー

□寝顔
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誰も本当の俺を見てない。



作りあげられた虚像だけ。



俺はいつも一人。





+++





陽の光の眩しさで目が覚める。

隣に誰かの寝てる気配。


…あぁ、そうか。


昨夜の事を思い出す。



初めて見る、お前の顔。
初めて聞く、お前の声。
初めて感じる、お前の身体。

全てが俺を熱く、狂わせる。



こんな感覚、初めてかもしれない。

俺はお前が好きで。

お前も俺が好きで。

気持ちが通じ合うだけで。

こんなに違うものなのか…





+++





本当の俺を見てくれた。



そんな女、今までいなかった。



“二ノ宮ソウ”じゃなく



“二ノ宮壮”を。



ただそれだけなのに。





+++





「…うぅん…」



寝返りをうつお前は、凄く幸せそうな顔。

そんなお前を見てるだけで。

俺までなんだか幸せを感じる。

そんな自分に驚いて。

悪くないな、

と思う。

さらにそんな自分に驚いて。

自然と笑みが零れる。



コイツってすげーな。

どんだけ俺を幸せにしてくれるんだろ。



俺はお前にずっと笑っていて欲しい。

見てるこっちまで笑顔にするそれで。

その為なら、

何でもしてやる。





早く目覚めないかな。

早くお前にキスしたい。





+++




俺はやっと出逢ったんだ…



お前と。








終わり





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