peacherry

□続 新たな始まり
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新しい生活
新しい環境

それは、父から娘へのプレゼント。

きっと、今日から皆、少しずつ何かが変わって行く。


続 新たな始まり



管理局員に昇格した俺は、新しく出来た特別業務部に配属された。

特別業務部の仕事は、ロイヤルチルドレン、つまりは玻月、汐璃、聖羽瑪の3人に関わる仕事をメインにする事になっている。

それ以外にも管理局員は色んな部署を掛け持ちしてる事が多く、俺も色んな部署の手伝いもさせてもらっている。

汐璃の初登校日に合わせ、今日から玻月達の運転手を任された俺だけど、朝、蝶学まで3人を送ったら、夕方まで琅珠の仕事の手伝いをする事になっている。

俺は、玻月達を送る前に、打ち合わせも兼ねて、琅珠の居る霓硝院に来た。

霓硝院は1階に管理局所属になる霓硝部のフロアがあって、2階は琅珠の職場とプライベートスペースになっている。

琅珠のプライベートスペースには、何度も入れてもらってるけど、職場とは扉1枚で繋がっていて、その部屋を真ん中にして、左右にも部屋がある。

部屋の奥の扉を出ると、廊下と、1階から3階へ伸びる螺旋階段がある。

1階には玄関スペースがあるだけだけど、霓硝院の裏側に出れるようになっていて、仕事以外では、こっちの入口を使う事が多い。昔からこの作りだけど、汐璃が琅珠の所に来る為の、専用扉みたいにもなっている。

因みに3階は、今使われていない。

「10時前には城に戻れるよ。」

蝶学には8時半までに登校させなければならない。車で片道1時間はかからないから、9時半には戻れるとは思うけど、何が起きるか分からないから、少し余裕を持たせた時間を琅珠に言った。

「そうか。じゃぁ、10時に来てくれ。」

「分かった。」

琅珠は俺の返事を聞くと、テーブルに置いてあるコーヒーカップを手にして口に運んだ。俺もつられて同じ動作をしてしまう。

やってる事は同じなのに、琅珠がやると大人っぽいしサマになってるんだけど、俺にはこの雰囲気は出せない。俺ももう少し大人になれば、琅珠みたいに恰好良くコーヒー飲めるのかな…。

そんな事を考えていると、徐ろに琅珠が口を開いた。


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