□過ち
1ページ/1ページ

同じ大地を踏んで
同じ空の下に居て
同じ月を見上げる事が出来るのに

何故
共に語る事が
出来ないのだろう?

その全てが
君の存在の遠さを
残酷なほどに
教えてくれる

知りたくないのに
理解したくないのに

君を想う事が
どれほど絶望的なのかも
私に感じさせる

何故
届かない?
何故
報われない?

伝えてはいけないと
心の奥の闇から
微かに聞こえていたのに

もっと
それに耳をすましていれば
こんな事には
ならなかったのだろうか?

何もかもが
壊れてしまう事など
分かっていたのに
私は
禁忌を犯した

懺悔さえも
出来る場所がない

君がいつか
遠くへ行ってしまう事を知った
あの日から
私を戒めていた鎖が
外れてしまった

君と
離れたくなかった
君を
手に入れたかった
君を
誰にも渡したくなかった

それが どれだけ
君にとって重荷になっただろう

こんな私を
どうか
「馬鹿な奴」だと
「愚かな奴」だと
「浅はかな奴」だと
嘲笑ってほしい

君がくれる刃になら
傷付いてもかまわない

君を
失うくらいなら

君を想って流す涙には
今は もう
意味など持たない

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ