□水晶
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透き通った
色無き姿
綺麗すぎて
私には勿体ない

触れれば冷たく
誰も寄せ付けない程の
鋭さを持っているのに
地に落とせば
きっと一瞬で
砕け散るのだろう

反射する光は
柔らかく
優しいのに
自ら光放つ程の
強さは無く
傷付くことを恐れるように
同じ姿の仲間達の中に
目立たぬように紛れ
隠れているのか

それでも
いつかは人の手の中に
見つけてもらうために
暖めてもらうために
気付かれない程の
音にもならない声で
ただ一人の誰かを
求めているのだろうか?

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