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□マリみて=白薔薇
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ある日の放課後。乃梨子は志摩子様に呼ばれ、薔薇の館にやってきた。志摩子様に呼ばれた嬉しさで駆け上がりたくなる衝動を抑え、乃梨子はゆっくりと階段を上がり、2階にあるビスケットのような扉を開けた。

「・・・・あれ?」
乃梨子が扉を開けた先に見たのは、誰もいない、暗く、寂しい部屋だった。
ここにはすでに、志摩子様が居ると思っていたので、動揺の色が隠せない。
それと同時に、なぜもう少し遅く来なかったんだという自己嫌悪に襲われた。

「せ、せっかく志摩子様より早く着いたのだから、紅茶を用意してまっていよう。」
優秀な乃梨子はそう考え、気持ちを切り替えました。
開けたままの扉を閉め、自分の席に荷物を置き、お湯を沸かします。
お湯が沸けるまで時間は4分程度。その間、何もやることが無く、乃梨子は志摩子様が自分のことを呼び出した理由を考え、少しでも自分が役に立てるのだと考えるだけで無意識に顔がにやけるのでした。

そんな時、突然扉が開いた。
 

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