Un romanzo

□picture
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「お前は絵を描くのか?」



突然の質問にキョトンとした顔になるイタリア。その表情にいきなりすぎたと思い、言い訳のようにつけたす。



「いや、その‥フランスに言われてな」
「俺が絵を描くって?」
「ああ、上手いから見せてもらえって」



何故か照れ臭そうなドイツにイタリアがクスクスと笑う。その優しい愉快そうな笑い声が妙に耳心地が良い。

ドイツが答えを求めるようにイタリアを見た。



「描くけど、描いたのは全部フランス兄ちゃんに持ってかれちゃったんだー」
「フランスに?」
「うん。兄ちゃん返してくれないんだよねー」
「そうか」



どうりでフランスが自慢げだったわけだ。珍しくしゃべりかけて来たと思ったらイタリアの絵の話をしだして『見せてもらってみろ』などおかしいと思ったのだ。
大方、イタリアの絵が見られなくて、しかもその絵が全てフランスのもとにあることをドイツが悔しがることでも期待したのだろう。



(確かに残念だが‥)



大の大人がすることではないな、とアホな髭を思い出してため息をつく。その様子にイタリアがすまなそうに眉を八の字にして謝る。



「ごめんね、ドイツー」
「いや、気にするな」
「ヴェー‥あ!そうだ!ドイツに一枚、絵描いてあげるよ!」
「俺に、か?」



うん!と元気よく頷くイタリアになんとなく胸がほわほわとなった。『ドイツのために』という部分がやけに耳にエコーする。

照れ隠しにイタリアの頭をぐしゃぐしゃと少し乱暴に撫でてやった。



「期待してる」
「えへへー、素敵な絵書いてあげるからね!楽しみにしてるよーにっ!」


ちゅっとイタリアに頬にキスをすされながら絵ができたらすぐにフランスに見せてやろうと心に決めた。


end

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