Un romanzo

□遠恋
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「“遠恋”って知ってる?」


となりで寝ていたイタリアがふっと思い出したように呟いた。
仰向けに寝ていた体をぐるりと反転させる。


「遠距離での恋愛のことだろう?」
「うん」
「それがどうかしたのか?」
「可哀想だなって」


ふとんの中でそう呟くイタリアはどこか遠い所を見ている様だった。
“可哀想”。確かに可哀想だ。だがそのことが国同士である俺達になんの関係があるのだろうか?
顔に出ていたのだろうか、イタリアが難しい顔をしている俺をみてにっこりと笑った。


「俺達には何にも関係ないよ、ただ可哀想だなと思っただけ」
「・・・」
「こんな風にさ、一緒に寝ることもできないんだよ。手を繋ぐこともハグする事もキスする事もエッチすることも。俺だったら耐えられないなぁと思って」


自分のことでもないのに辛そうに天井を見つめるイタリア。
その体をぎゅっと抱き寄せた。


「・・お前は欲張りで寂しがり屋だからな」
「うん、俺は欲張りで寂しがり屋なんだ」
「俺はどこにも行ったりしない。ずっとお前と一緒だ」
「・・うん、ありがとうドイツ」


月明かりの中微笑んだイタリアに俺は静かに誓いのキスをした。



end

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